お笑いの賞レースはデータから結果を予測できるのか?
現代社会において、データというのは不可欠なものだ。
スポーツ、ビジネス、政治。過去の結果をまとめ数学的に処理したデータはこれから先のことを予測・対策するのに重要だ。
しかし、データをもってしても予測が困難なものも多くある。
その最たる例は、「お笑いの賞レース」なのではないだろうか。
当日のコンディション、出順、場の空気。数多くの環境が複雑に絡み合う。だからこそ毎年素晴らしい闘いを見せてくれる。
今回は、お笑いの賞レースにおけるデータ分析の限界に挑んでみたい。
日本のお笑いにおける最大の賞レースといえば、「M-1グランプリ」だ。
芸歴15年以下の2人以上の組であれば(第10回大会までは芸歴10年以下)プロ・アマ問わず誰でも出場可能。一夜で人生が激変する……なんてことも多く、毎年多くの漫才師たちが夢の舞台へ挑む。
近年では、第15回大会(2019年)でファーストステージ史上最高得点を叩き出したミルクボーイの漫才が記憶に新しい。
第16回となる今回の大会は、いったい誰が栄光を手にするのか?
過去15回の激戦からデータを取り、それに基づき予想を立てていくことにする。
今回の検証の過程はこう。
①過去15回の大会を全て視聴し、隔年の上位3組について傾向を書き出す
②それらを元に今年の上位3組、優勝組を予想する
③当日、決勝を見て結果を見届ける
また、検証には対照的な予想も必要であることから、知人である電気とデニムさんにも「データを根拠としない」予想をしてもらった。
彼は大学時代お笑いサークルに所属し、M-1出場経験もある。
あの闘いを経験した側からの予想と、そうでない側のデータを根拠とした予想はどちらの方が当たるのか。そういった比較も取り入れていく。
まずは、出場コンビの傾向を見ていく。
今回決勝を戦う9組(敗者復活組を除く)は以下の通り。
察しのいい方なら、この時点でいつもとは大きく異なっていることに気付くだろう。
比較として、前回大会の同様な図を用意した。
前年は、東京吉本6組に大阪吉本が3組。吉本以外の事務所からの決勝進出は、サンミュージック所属のぺこぱのみに留まっている。これは、過去の大会全てにみられる傾向だ。
しかし、今回は東京吉本4組、大阪吉本2組。あとはグレープカンパニー、SMA(ソニー・ミュージックアーティスツ)、タイタンから各1組となっている。
吉本勢が圧されている、今までにない形となっていることがわかる。
また、マヂカルラブリー、アキナはいわゆる返り咲き(決勝経験者だが次回以降で予選落ちし、再び決勝の舞台に戻ってきた)コンビだ。
一度の大会に返り咲きコンビが複数出ることは2009年の第9回大会以来11年振りとなっている。
これまでとは出場者の傾向が異なる中で、例年のデータが役に立つのか。一抹の不安が過ぎったが、やるしかない。
続いては、歴代の最終決戦出場コンビの結成年と出場回数、ファーストステージでのネタ順を一覧にする。
出場回数は、初の決勝進出コンビがそのまま優勝する例が非常に多くなっている。逆に、麒麟や和牛、かまいたちなどのコンビは決勝進出回数は多いが優勝は果たせていない。
結成年数には途中で変更も含まれるためばらつきがあるが、結成5年以上といった組がほとんどだ。
そして、ファーストステージのネタ順は1番手〜3番手までのコンビと最後の10番目のコンビがほとんどいないことがわかる。これはよく言われる「前半は基準点作りや場の空気を温めるための存在になってしまうので不利」ということをよく表している。
各年の大会を見ていて、気づいたことがある。
それは、「風変わりなネタは評価されにくい」ということだ。
例を挙げると、2018年の「野田ミュージカル」を披露したマヂカルラブリーや、2019年に歌ネタで勝負したニューヨーク。両者はそれぞれ最下位に沈んだ上、審査員の1人(マヂカルラブリーは上沼恵美子、ニューヨークは松本人志)に厳しい言葉を浴びせられている。
ここから私が導いた傾向は
・正統派漫才であること
・3組中少なくとも2組は吉本所属
・決勝出場回数は2回前後
という点。
これを踏まえ、今年のファイナリストの2回戦ネタや公式で公開されているネタを視聴し、最終決戦に残る3組を予想した。
初出場かつ人の心を掴むネタをする、ということから東京ホテイソンを1位に据えた。
たけるさんの歌舞伎を取り入れた独特のツッコミが、審査員や視聴者の心を掴んで離さないことだろう。
2位は、3年連続決勝進出の見取り図。
緻密に作り込まれたネタには安定した面白さがあり、何度見ても見ている側の笑いを起こす。
西の劇場番長として活躍してもらいたいものだ。
3位には返り咲きコンビであるアキナを置いた。
今までネタを見たことは無かったのだが、過去の決勝と予選の映像を見て確信した。
この数年間で、格段に面白さが上がっている。その勢いに乗り、上位に食い込むだろうと予想した。
余談だが、私が今回出場するコンビの中で1番好きなのはニューヨークだ。
もちろん彼らを応援する気持ちはあるが、皮肉をこれでもかと詰め込んだ彼らのネタは評価されにくいかな……と思ってしまう。
そして、電気とデニムさんにしてもらった予想がこちら。
以下は、電気とデニムさんから頂いた解説(原文まま掲載)。
予想の根拠は熱量と新規性。
当日、いかにお客さんを巻き込んで盛り上げたか…新しいシステムを取り込んでおり目新しさがあるか...この2つの基準が2015以降のM-1では重要と僕は考える。
それを踏まえた上で1位から簡単に解説させて頂きたい。
1位 錦鯉
錦鯉を1位としたのは、圧倒的熱量とお客さんを巻き込んで盛り上げる力の2点が傑出していると考えるからだ。
誰が見ても分かりやすく面白いネタの構成、まさのりさんのコミカルな表情や動き、これが会場にハマればそのままの勢いで優勝…そんな未来予想図がくっきり見える。
近年の賞レースではどぶろっく(2019年キングオブコント優勝)、トレンディエンジェル(2015年M-1優勝)など熱量とお客さんを巻き込む力で優勝するケースも多い。最年長、大きな花を咲かせてほしい。
2位 東京ホテイソン
M-1で優勝・上位に進出するためには決勝初進出の方が有利だ。彼らは誰なのだろう、どんなネタをするのだろう、不確定要素が多いほうが面白いと分かった瞬間の心の掴まれ方が凄いのだ。そして間違いなく東京ホテイソンは心を掴むネタをたくさん持っている。
最初のボケまでの笑いのない時間をお客さんが待てるか、オチまでどんどん盛り上がる展開を東京ホテイソンが作っていけるかがカギになるだろう。
3位 オズワルド
ここまで優勝予想ということで自分の好き嫌いではなく勝つのは誰かを挙げた(もちろん錦鯉も東京ホテイソンも好き)。だがここで大きな声で言わせてほしい。
オズワルドが大好きだ!!畠中さんの淡々としたボケ、伊藤さんの切れ味鋭すぎるツッコミ…掛け合いの畳み掛けや熱量は他のコンビに劣るかもしれない。ただ4分の「間」を贅沢に使うコンビにそろそろ優勝してほしい。
「軽く解説もお願いします!」とお願いしたら各組に対する熱い想いを綴ってくれた。やはりあの舞台に立った戦士は闘いを見る側になっても熱意が違うのだろう。
2人の予想は東京ホテイソンが最終決戦に進むだろうという点だけが共通し、あとはそれぞれ異なる2組を挙げた。
勝敗は誰にもわからない。当日、決戦の舞台を見届けることしか私たちにはできないのだ。
…………
結果は、皆さんもよく知る通り。
マヂカルラブリーが優勝し、同率2位がおいでやすこが、見取り図。
全く予想できなかった。お互いが最終決戦に残ると予想した東京ホテイソンは、最下位となった。
今回は、最終決戦に進んだ3組全てが吉本所属。(マヂカルラブリー、おいでやすこがは東京吉本、見取り図は大阪吉本)
そして、史上初の過去大会で最下位に沈んだコンビの優勝。
マヂカルラブリー、おいでやすこががこのような成績を残したことから従来の「風変わりなネタが評価されにくい」という傾向も見られなかった。
「今まで評価されなかったネタ」としてマヂカルラブリーを挙げてしまった以上、申し訳なさを感じてしまう。
が、確かに彼らの漫才は非常に面白かった。いや、こんな偉そうに言う権利はない。腹抱えて笑わせてもらいました。
2020年の第16回大会は、従来の大会を大きく覆した大会と言っても過言ではないだろう。
予想が大きく外れてしまうのも仕方ない。
読めないからこそ、賞レースは面白いのだ。
しかし、私たちには忘れてはいけないことがある。
あの場にいた10組の漫才師は、優劣をつけてはいけないほどどこも面白いということだ。
そして、大会にエントリーした全5081組の漫才師達に感謝しなければいけない。
こんな暗い世の中に笑いを届けてくれてありがとう。
お笑いは、いつも人を明るくするのだ。
【結論】
賞レースは過去のデータを元にしても予想することは困難である。
ちくわぶを揚げたら新世代スイーツになった
友人とある高校の文化祭に行った時のこと。
たこやきやわたがしなどのありがちな模擬店が並ぶ中、ひとつだけ異彩を放つものがあった。
それは、「うどんチュロス」。
その名の通り、うどんを数本まとめて素揚げしたものに味付けを施したものだった。
私はそれが気になって仕方なくなり、勢いでうどんチュロスを購入した。
おそるおそる口に運ぶと……うまい!
外側はカリッとしていて、中はうどんのもちもちさがそのまま残っている。これは
世紀の大発明だ、とそばにいた友人に熱弁したが、その魅力はわかってもらえなかった。
それから2年。暇と小腹を持て余し、冷蔵庫を開けると、そこにはあるものが入っていた。
そう、ちくわぶである。
恐らく、鍋に入れようとしたのを忘れてそのままになっていたのだろう。
うどんもちくわぶも小麦粉なんだから、チュロスにできるんじゃない?
あの奇跡をもう一度味わいたい。その一心で、私はキッチンに立った。
まず、ちくわぶを取り出す。はんぺんのようにふわふわしているイメージがあったが、実際はずっとしっかりしている。
とりあえず、普段鍋に入っているのと同じ形状に切ってみた。後半3分の1でなぜか中央の穴が消失していて怖くなる。
いろいろな食感を楽しみたいと思い、薄いものと厚いものも作っておいた。
さて、さっそく揚げていこう。
170度に熱した油にちくわぶを入れて……。
あっ!!
古い油のまま揚げはじめてしまったせいで、鍋の底に溜まっていたカスがちくわぶにくっついてしまった。やってしまった……。
普段料理をしないから、こういうことになってしまう。
ひどいありさまである。
気を取り直して、フライパンで揚げていく。油跳ねも怖くない。最初からこうすればよかった……。と後悔しても、今更でしかない。
ちくわぶ同士がすぐにくっついてしまい、それをはがすのに一苦労する。
小麦粉のグルテンのせいだろうか?よくわからないが、はがしてもはがしてもくっついてしまう。
お前らはぷよぷよのおじゃまぷよかよ、と思いながらはがし続ける。
ほんのりきつね色になったら油から上げ、また次のちくわぶを入れる。
繰り返すこと15分、ようやく揚げ終わった。
この時点でかなりおいしそうだが、菜箸でつかむとかなり硬い。
もしかして、揚げすぎた……?
そんな疑念が頭をよぎる。いや、実際どうなのかは食べてみないとわからない。
カスがついてしまったものは食べられないので、きれいなものだけを皿に移して砂糖をまぶす。
やっぱりおいしそう。期待がどんどん高まっていく。
拡大してみると、いびつなドーナツのようにも見える。
では、さっそく食べてみよう。味やいかに……?
バキッ!ザクッ、ザク……
硬い。めちゃめちゃ硬い。
味はうどんチュロスを再現できているが、とにかく硬い。そして、砂糖だけでは小麦の味に負けてしまっている。くどい。
そう、こういうときのために分厚いちくわぶを用意していたのだ。
分厚いちくわぶにはちみつをかけてみる。これでダメだったら、もう諦めよう。
奇跡は、きっと起きる……!
口に入れ、ゆっくりと噛み締める。さっきまでの硬さはない。咀嚼すると、ちくわぶ特有のコシを兼ねたもちもち感が楽しい。さらに、はちみつの優しい甘さが口の中いっぱいに広がっていく。
正直、うどんチュロスを大きく超えるおいしさだ。
新大久保とかで映えそうなカップに入れて、チョコソースやメープルシロップをかけて売れば、映えに目がない中高生の間で爆発的に売れるに違いない!
ちくわぶさえあればすぐにできるし、味付けの幅は無限大。
P.S.
商品化の際は私までお知らせください。
雨上がりは普段の道をのろのろ歩く
その日、バケツをひっくり返したような酷い雨が降った。しかし昼過ぎにはすっかり止み、雨上がり特有のじめじめした空気に覆われていた。
普通なら、そんな日に外を長く歩こうとは思わないはずだ。それは私だって同じである。でも、その日は違った。
「なんか……散歩しながら帰ろうかな」
ねずみ色の空を見ながら、なぜかそんな気持ちになった。
宮城県道286号線沿い、鹿乃公園前のバス停。ここから長町駅までをゆっくり歩くことにした。普段の帰り道と同じルートでも、寄り道したりよく観察することで、新しい魅力が見えてくるはずだ。
歩道橋を渡り、細めの脇道に入る。ここでは1年を通じてよく露出魔が出るという。なんとしても出会いたくないものだ。
空気は重たく、頭が痛くなるような感じがする。しかし、私の気持ちはどんなものに出会えるかという期待でいっぱいになっていた。
昔を思わせる小さな美容室。こういう看板ってどうやって作っているんだろうかとあれこれ考えてみたが、全くわからなかった。
わかる方はぜひ教えてください。
街頭を見ると、「笹谷街道」と書かれている。由来はよく分からない。世の中、分からないこともたくさんある。
出た!田舎あるある、「メーカーが入り交じった自動販売機」。
ここはアサヒ飲料とポッカサッポロ、コカ・コーラが同じ自販機の中に並んでいる。
こういうゴタゴタとした雰囲気がたまらなく好きだ。よく見ると、商品サンプルがところどころ曲がっているのも愛嬌がある。
魚屋の外にケースに入ったホヤが売られていた。こういう売り方は産地ならではという感じがする。
しばらくホヤを食べていないなと気付いた時、口の中であの苦味や甘みが蘇った。
……気がしただけだ。
教会の入口にある謎のタイルアート。
「Jesus Loves Me(神は我を愛す)」と書かれた横にいるのは、どう見ても七輪と魚だ。
神は魚だったのか。つまり魚を食べる我々はゴッドイーターということか。
脇道を見つけた。こういう道に入らずにはいられないタチなので、すぐに進んでいく。
行き止まりだった。何が待っているかとワクワクした感情はしぼんでしまった。
私の期待を返してくれ。
笹谷街道も終わりに差し掛かったところで、気になる看板を見つけた。
蛸?蛸というと、八本足の?蛸を祀っているの?
気になってしまったものは確かめないと意味がない。早速看板の通り左折すると、本当にすぐにたどり着いた。
鳥居をくぐり、まずは舞台八幡神社に参拝する。
ライターとしてもっと実力をつけられますように、そして今年は考査で赤点を取りませんようにと願った。
願うというか、これらは自分の努力次第な気もするが気付かないふりをした。
そして、こちらが蛸薬師如来。鈴ではなく銅鑼のようなものがついている。
神様ではなく如来、つまり仏様を祀っているので参拝の時は合掌のみをするらしい。知らなかった。
神社を後にすると、目に飛び込んだのは変わった看板のコインランドリー。読みづらさもまた魅力だ。
そうこうしているうちに日も傾き始め、長町駅前までやってきた。
ここまでの小さな旅を振り返り、いつもの道でも周りをよく見てみれば新しい発見が多いものだなとしみじみ思っていたとき。
私は大きな過ちに気がついた。
朝差してきた傘がない。高校に置いてきたままここまで来てしまった。
スマホを見ると、時計は6時前。ただでさえいつもより遅い時間なのに、ここからまた戻るのか…………と思うと、一気に足が重くなる。
しかし、濡れた傘を週末置きっぱなしにするのも嫌である。
仕方ない、戻ろう。
それだって、きっと雨上がり散歩の醍醐味だ。
迎えを頼んでいた父に連絡を済ませ、発見だらけの道にまた歩みだした。
アシベシゲルが書いた記事まとめ(随時更新)
はじめまして。ライターをやっております、アシベシゲルと申します。
まだまだ駆け出しですので数は少ないですが、今まで執筆した記事をここにまとめさせて頂きます。
「へぇ、こいつこういう記事書くのね」くらいに思っていただければ幸いです。
《CRAZY STUDY》
じきるうさん運営のウェブメディア、CRAZY STUDYで執筆させていただいた記事です。
「既存の曲を参考に『絶対に売れるラブソング』を作る」
https://crazystudy.info/yaba-t
外に出られない中、何か簡単に出来る面白いことはないだろうか?と思い悩んだ結果、既存の曲を参考にしてラブソングを作ってみよう!と思い書かせていただいた記事です。
作曲してくれる方を募集しています、と書いたところ、公開から2日で2人もの方に曲をつけていただきました。
Instagramのエロスパムを調べてみた【CHECK MY BIO】
https://crazystudy.info/check-my-bio
Instagramでしょっちゅう見かけるエロスパムに苛立った末、これを逆にネタにしてやろう!と思い立ち執筆させていただきました。
《個人ブログ》
今ご覧になっている個人ブログ「わくわくどうぶつランド」にて執筆した記事です。
「【検証】極度のなで肩は肩パッドで補正できるのか?」
https://ashibebe-n.hatenablog.com/entry/2020/01/26/173318
自分のなで肩のせいでショルダーバッグがずり落ちるのがストレスで仕方がなかったので、肩パッドを入れたらその悩みが解消できるのでは!?と思い立ってやってみた記事です。
「映えを求めてひとりでプリクラを撮ってみた。」
https://ashibebe-n.hatenablog.com/entry/2020/03/30/103206
とにかく写真写りが悪いことが辛い。何とかしたい!そんな思いでひとりプリクラに挑戦した記事です。もう二度とやりたくありません。
《note》
こちらも個人で書いているものです。上2つとは違い、日記的な役割を果たしています。
また、インタビュー記事などもここで公開しています。
「自分の人生をつまらないまま終わらせたくない」 ミスいちごIDOL2021候補生・らゅ 特別インタビュー
https://note.com/ashibebe_n/n/n217245b6a5f5
はじめてのオーディションに臨むアイドルを夢見る少女に心境を聞きました。
現在らゅさんは鹿児島のご当地アイドルであるS☆UTHERN CROSS(サザンクロス)の研究生として活躍しています。
今現在、執筆させていただいたものは以上になります。少ないですが、参考になれば嬉しいです。
主に企画ものの記事を得意としています。
よろしくお願いいたします。
映えを求めてひとりでプリクラを撮ってみた。
私には、今を生きる女子高生として致命的に足りないものがあった。
そう、写真である。
スマホでの自撮り、他撮りにプリクラ。その全てをほぼ経験したことがないため、「いちばん盛れる角度は〜」とか「この写真アプリめっちゃいいよ!」とか「放課後プリ行こうよ〜!」なんて会話ができるわけもない。クラスメイトの会話についていけない。
つまり、浮いている。ぼっちだ。
……………………いやだ、もうこんな惨めな思いはしたくない!!!!!!!
そう強く思った私は、ある場所に向かった。
キラキラした女子グループで溢れかえる、ゲームセンターのプリクラコーナー。
私は一人でそこに立っていた。本当は友人を誘って「盛れ」について指導してもらおうと思っていたのだが、誰とも都合が合わなかった。別に友達がいないわけではない。
…………恐らく、並の女子高生よりはるかに少ないが。
コーナーの最奥にあった人気のない筐体を選び、400円を入れる。ひとりで支払う額にしては高すぎる。この400円があれば、ハーゲンダッツが買えるのに。
料金を投入すると、「あなたたちは何人?」みたいな音声と共にタッチパネルに人数選択のボタンが現れた。選択肢は、2人から8人。
わかっていた。ひとりでプリクラとる人間なんて滅多にいないんだ。そう思うと虚しさがこみ上げてきた。周りからの目が気になって仕方ない。早く、早く帰らせてくれ。そう思いながら、仕方なく2人を選択した。私は、幽霊とプリクラを撮るんだ。
撮影ブースに入ると、立ち位置のアナウンスが流れ出した。どうせひとりだしど真ん中に仁王立ちしてやろうかと思ったが、指示に従うことにした。
撮影が始まった。指示されるポーズは全て2人用なので、悲しいほどに空白が目立つ。恥ずかしい。
しまいには「猫の手でニャンニャン♪」なんてことを言い出した。殺すぞ?
もう指示に従ってポーズを取ることも盛れについて考える気力も失せてしまった。
撮影を終え、落書きも雑に済ませ、出来上がりを待つ。
…………ああ、この時間がいちばん辛い。早く帰らせて……………………とばかり思っていた。
そして出来上がった写真がこちら。
完全なる虚無の塊。当初の目的は消え失せ、罰ゲームを受けたような気持ちだ。誰か、誰か助けてくれ…………。
虚しさに打ち勝つ自信のある方はぜひやってみてください。私はもう二度とやりたくありません。
【検証】極度のなで肩は肩パッドで補正できるのか?
なで肩って嫌ですよね!?!?!?
突然すみません。でも、なで肩でいいことってひとつもありませんよね?ね?
これは夏に新調したショルダーバッグです。めちゃくちゃデザインが気に入ってます。
…………が。
数歩歩くだけで肩からずり落ちる。びっくりするほど落ちる。こんなんじゃストレスしか溜まりません。
私はただオシャレなバッグで街を悠々と歩きたいだけなのに……!
思い悩み、あれこれと思考を張り巡らせていたとき、イヤホンからある曲が流れてきました。
大好きなバンド・ヤバイTシャツ屋さんの名曲、「肩 have a good day」。『肩幅の広い人の方が肩幅の狭い人よりも発言に説得力が増す 肩幅の広い人の方が肩幅の狭い人よりもみんなから支持される』
……………………!
そうか!!!!!!!!!
なんでこんな簡単なことに気づかなかったのでしょうか。なで肩が嫌なら盛ってしまえばいい。この世に「肩を盛ってはいけない」なんて法律は存在しないのですから。
誰も私を止められない。邪魔はしないでくれ。
というわけで、手芸店で肩パッドを買ってきました。
帰ってきてから気づいたのですが、同じサイズを買うつもりがSサイズとMサイズをそれぞれひとつずつ買ってきてしまいました。コブみたいになってしまったら見た目がやばいですね。フタコブラクダならぬフタコブヒトですね。新種の生き物としてサンプリングされてしまうかもしれません。
メルカリでいつまでも売れない服の写真?
違います、売りません。今回はこのカーディガンにパッドを縫っていきます。
袖側に一か所、前身頃側に一か所の計二か所縫い付けるだけでいいのでとても楽です。被服実習でミシンでさえまともに扱えなかった人間なので、完全に手縫いだけで作業が完成するのはありがたいことですね。
さて、そうこうしているうちに縫い付けが終わりました。所要時間はおよそ30分ほど。
早くこの服を着て歩きたい!
なで肩を脱却したい!!!!!!
いてもたってもいられなくなり、私はすぐさま外へ飛び出していきます。
肩パッドの効果は表れるのでしょうか?期待で胸がいっぱいです。
それでは、早速検証を始めていきましょう。
よろしくお願いします。
検証は以下のゆるゆるなルールに則って行います。
急遽呼び出した友人に計測をお願いしました。こんなののために?
①肩パッドなし
まずは、シンプルにそのままいきましょう。
よーい……スターt
ズルッッッ!!!!!!
……え?
足を踏み出した一歩目で落ちました。なんで???どうして???
一応秒数も訊いておきましょう。
「今の何秒だった!?」
「……ごめん、一瞬過ぎて測れてない(笑)」
おい、誰が笑っていいっつったよ。あとで見てろよ?
《結果》測定不能
②肩パッド着用
気を取り直しましょう。本題はここからなんですから。
きっと、肩パッドがその力を存分に発揮してくれることでしょう。
フタコブヒトになっていなくて安心しました。
それでは……スタート!!
も う 落 ち そ う
え?なんで???がんばってよ!!!!ねぇ!!!!
あ。
あ~~~~!!!!
「……何秒?」
「9秒」
……肩パッドなんて、所詮こんなもんなのか?私が期待しすぎたのか?
脳内を駆け巡る「虚無」の二文字。
《結果》9秒
………この手は使いたくなかったんですが、こうなったらもう……
③肩パッド+タオル
オフの日の女子プロレス選手?
見た目がかなり屈強になってしまいましたが、まぁいいでしょう。
これで街を歩けるか、と訊かれたら首を横に振らざるを得ません。私は可憐な乙女なので……
これならきっと大丈夫でしょう。それではスタート!!
滑り出しは好調。このままいけるか……?
あ!!!危ない!!!!!
あ~~~~~~!!!!!
綺麗すぎる垂直落下。
しかし、先のふたつよりは記録が伸びているはず……!!
「何秒だった!?!?」
「……10秒」
どうして……?そんなに伸びないのはなぜ?
私は肩の神に見放されてしまったのでしょうか?
「カーディガンが滑るんじゃない?」
ずっと黙っていた友人が口を開きました。
そうか……この服、滑るのか。なぜこんなことに早く気付かなかったのでしょうか。
それなら、こうすれば!
《結果》10秒
④肩パッド+タオル+コート
もう何も怖くない。早速始めましょう。
………………
友人の指摘は正しかったようです。全く紐が下がってきません!
長かった……。これまで、私を幾度となく苦しめてきたなで肩と、ようやく決別できる…………!!
このまま、どこまでも行ってしまえそうです。何も怖くない、何も気にしなくていい、ずっと………
「ちょっと!どこまで行くの!?」
友人の呼びかけも、もはや届きません。
「肩幅の広い人のほうが肩幅の狭い人よりも発言に説得力が増す けど 肩幅の広さを気にせずに心の広さを大切にすることに決めました」